先日こちらでお知らせしました、ノーリツさんのウォールデザイン制作ウラ話を少し。
今回のタンチョウの絵は「祝福」をテーマに「健やかなるときも 病めるときも」というタイトルで描いたものです。
はじめはこのタイトルがそのまま壁の名称になる予定だったのですが、途中でカタログ制作時に「やっぱりもう少し短いタイトルに…」というご要望で「はなうたうたう」になりました。
ご依頼をいただいて、まずはラフ案(通常はアイデアの下描きのようなものですが、この時は色もつけてほぼ完成に近いものでした)を2作品提出しました。
まったく別のアイデアの動物ものを2点描き、選考の結果タンチョウのほうが採用されました。
そしてラフ案がOKとなり「では水口さん、本番制作着手お願いします!」と担当の方に連絡いただいた翌日(忘れもしない昨年9/14)、私は自転車で転んで激しく頭を打って、生まれて初めて救急車で運ばれたのでした。
かなりぼーっとしてましたが意識はあったので、救急車の中で私は「どうか家に戻って絵の続きが描けますように…」と「記憶喪失になりませんように…」とを繰り返し繰り返しずっとずっと祈り続けました。
そして病院で1時間の検査の結果、本当にありがたいことに大事にはいたらず、無事に家に戻ってこられて、救急車に乗ってから1時間半後にはまた絵を描いていました。
ただ、頭はかなり腫れ上がり、ちょっと触るだけで目が飛び出そうなくらい痛かったです。
どのくらい腫れたかと言うと、お正月の鏡餅の上の段くらいの大きさで、このたんこぶが治るまでに1ヶ月くらいかかりました。
私は、普段さわると固い頭があんなにも腫れ上がることをはじめて知りました。
そんなことがありながらも、無事に締め切りまでに描き終えて納品完了した時には、本当にほっとして気が抜けました。
救急車で運ばれた翌日の9/15は十五夜で、この日見た満月はとにかく素晴らしくきれいでした。
私は、あの転んだ時の「どうしよう〜」という思いと、次の日見た満月のことは、一生忘れないと思います。
そして今こうして無事に毎日を過ごせることに、ただひたすら感謝しています。
うそみたいなほんとの話ですが、くれぐれも自転車には要注意です。
☆「はなうたうたう」の原画をこちらにUPしました。